相続時精算課税制度>>相続時精算課税制度の計算
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相続時精算課税の選択をした場合の贈与税の計算

 相続時精算課税制度では子供1人につき、2,500万円までは親が贈与しても、子供には贈与税がかからないのです(相法21の12@)。また、2,500万円を超えた金額に対しても一律20%の贈与税がかかるだけです(相法21の13)。
 これがどのくらい安いかといいますと、暦年課税制度で2,500万円の贈与を受けると贈与税額は970万円となり、ほぼ40%の税金になります。それが相続時精算課税制度の場合、贈与税額は0円になります。
 

贈与税額

 2,500万円の特別控除額とは、財産をもらう人が一生でもらえる財産の総額であり、贈与の回数は何回あってもかまいません。前年以前に、この特別控除の適用を受けた金額がある場合には、2,500万円からその金額を控除した残額がその年の特別控除限度額となります。
 
 (例)平成18年度にこの制度を選択して父親から1,200万円の贈与を受け、平成19年度にさらに800万円、平成20年度にさらに1,500万円の贈与を父親から受けた場合の贈与税額は、いくらになるでしょうか?
 
 (答)平成18年度 1,200万円−1,200万円(特別控除額)=0円
    贈与税額0円 繰越される特別控除額2,500万円−1,200万円=1,300万円
    平成19年度 800万円−800万円(特別控除額)=0円
    贈与税額0円 繰越される特別控除額1,300万円−800万円=500万円
    平成20年度 1,500万円−500万円(特別控除額)=1,000万円
    贈与税額   1,000万円×20%=200万円
 
 上述したように贈与税は、従来からある通常の贈与制度に比べて軽減されるのですが、その代わりに相続のときには、贈与された財産と、相続または遺贈された財産を足した額に相続税がかかります(相法21の15)。ただし、支払った贈与税は、相続のときの相続税から控除できます(詳しくは贈与税額控除まで)。上記の例ですと、贈与税額200万円は相続税から控除できます。ですから、税金を二重に払うようなことはありません。
 この制度を別のいい方をして説明すると、生前の贈与はなかったものとされ、再度相続税を計算し直すということです。サラリーマンの給料に置き換えるならば、生前に支払った贈与税は給料から天引きされる源泉税のようなものであり、再度相続税を計算し直すことは年末調整をするようなものです。
 なお、相続時精算課税の適用を受けた場合、贈与者(親)が死亡したときには、贈与者から贈与を受けた相続時精算課税によりもらった財産も相続財産に加算して相続税の計算を行います。この計算の結果、相続税の基礎控除額以下であれば相続税の申告は必要ありません。ただし、相続税の申告の必要がない場合でも、既に納めた相続時精算課税による贈与税があり、その税金の還付を受けたいならば、相続税の申告書を提出しなければなりません(相法33の2)。
 

期限後申告による贈与税の計算

 特別控除は、期限内に申告書の提出があるときに限り適用できることになっているので注意をしてください(相法21の12A)。つまり、いくら特別控除限度額が残っていようと、期限内に申告書の提出がない場合には特別控除の適用は受けられないことになり、まるまる税金がかかります。詳しくは、相続時精算課税に係る贈与税の期限後届出・申告のページまで。
  
 (例)平成18年度にこの制度を選択して父親から1,200万円の贈与を受け、平成19年度にさらに800万円、平成20年度にさらに1,500万円の贈与を父親から受けた場合の贈与税額は、いくらになるでしょうか?なお、平成19年度は期限後申告だった。
 
 (答)平成18年度 1,200万円−1,200万円(特別控除額)=0円
    贈与税額0円 繰越される特別控除額2,500万円−1,200万円=1,300万円
    平成19年度 
    贈与税額   800万円×20%=160万円
    平成20年度 1,500万円−1,300万円(特別控除額)=200万円
    贈与税額   200万円×20%=40万円
 なお、平成19年度は本来の税金のほかに加算税や延滞税(ペナルティの税金)がかかる場合があります。